枕の物語 vol.09
アジアの枕 隣国の韓国、中国やタイ、インドネシアなどアジアの国々ではどんな枕が使われてきたのでしょうか。

日本では古くから愛用されてきたソバガラ枕は、吸湿性にすぐれ、独特の感触をもち現在でも多くの人に好まれています。韓国でもソバガラや小豆を入れた枕があります。タイやインドネシアには、カポックという綿の一種を詰める枕がみられます。タイには写真(上)のような小さな三角柱の袋をいくつも組み合わせた三角の枕がみられます。どちらかというと、くつろぐ時に利用されます。床にマットを敷いて寝るタイの就寝スタイルは、日本とよく似ています。寄り掛かるのにちょうどいい角度になっています。昔は、上流階級の人が使用人に肩を揉ませながら仮眠した枕だったようですが、現在ではとてもポピュラーなものです。枕はその使い方にも、民族性が表れます。

中国南方の地域では、籠枕を一メートルほどの筒状にした抱き枕「竹夫人」を、暑く寝苦しい夜に使っていました。中国では三〜六世紀から使われ、竹夫人と名づけられたのは宋の時代といいます。ちょうど冬に暖かい湯たんぽをふとんに入れるように、夏は竹夫人を入れ、風を通し寝苦しさをしのぐのです。人々はいつの季節でも安眠を求め、様々な品を生み出しました。