中野信子と東原亜希で考える「家族と睡眠」寝室は夫婦同室が良いと断言できるワケとは?

本当に育休が必要なのはお父さんの方?

東原亜希(以下東原) 早速ですが、そもそも脳科学的に家族やカップルとはどういったものなのでしょうか。
中野信子(以下中野) 家族とは、人間だけでなく哺乳類の多くが作るものなんです。「哺乳類」の名前は、お母さんが子どもにおっぱいをあげることに由来していますよね。子どもから大人になるまである程度時間がかかるので、その間、子どもを守るユニットを作らなくてはなりません。そのため、「弱く小さい子どもが独り立ちできるまでみんなで協力しあおう」というように、脳が仕向けられているんです。その集団のことを、家族と定義することができます。
東原 たしかに、動物は誰に教わるわけでもなく子育てをしますね。
中野 哺乳類の脳には、小さい子どもを見たりすると「可愛い」と感じたり、「何かしてあげなきゃ」と思ったりするよう仕組まれているんです。
東原 本能なんですね。

中野 動物実験でも、子どもの個体と大人の個体を長い間同じカゴに一緒に入れておくと、血縁がなくても大人はその子どもに対して愛着を感じだし、世話をし始めたりするというデータがあるんですよ。これにはオキシトシンという物質が関わっていて。お母さんは産んだときにオキシトシンが働いて愛着をもつようになるんですが、お父さんは産む経験をしないじゃないですか。だけど、同じ空間にいることによって、だんだん子どもを可愛いと思うようになるんです。
東原 なるほど。一緒に生活して、だんだんお父さんになっていくんですね。たしかに、その通りだなと感じます。
中野 ですから、育休など子どもと一緒にいる時間が本当に必要なのは、お父さんのほうなんですよね。最初は子どもとどう接していいかわからず不安もあるかと思うんですが、一緒の空間で時間を過ごすとか、一緒に寝たりするのは、オキシトシンを出すためにも大事なプロセスのひとつですね。
東原 奥さんも最初から期待し過ぎず、温かい目で見ることが大事ですね。
中野 そうですね。これは余談ですが、オキシトシンが増えたお父さんは、男性ホルモンの値が半分ぐらいに下がるんですね。それが何を意味するかというと……、ちょっと浮気しにくくなります(笑)。
東原 そんな効果まで!(笑)。では、寝かしつけなども、ぜひやってもらったほうがいいですね。
スキンシップをとることで肌ツヤが良くなる
東原 では、誰かと一緒に眠ることで、脳は安心を覚えたり、より質の良い睡眠が取れたりするのでしょうか。
中野 先ほどの話に加え、一緒に眠ることのもう一つの効果として「肌触り」が挙げられます。肌と肌が触れることでオキシトシンが出て、それにより安心感がもたらされるんです。さらにオキシトシンは成長ホルモンのような働きをするので、傷が治りやすくなったり、肌がツヤツヤするという女性にとって嬉しい効果もあります。そのため、積極的に分泌したほうがいいというデータもあって。スキンシップは大切ですね。
東原 寒いと、人肌恋しくなりますしね。肌触りが大事とのことですが、それは枕などにも言えることですか?
中野 肌に入る刺激という意味では、とても重要です。じつは肌触りの良い肌着を着せた赤ちゃんと、そうでない赤ちゃんとでオキシトシンの分泌量を比較した研究があるんですが、肌触りの良い肌着を着ていた子のほうが高いんですよ。

東原 えー、そうなんですね。たしかに、自分自身も年齢を重ねるにつれ、身に着けるものは見た目よりも肌触りや心地よさを優先するようになってきました。
中野 より本質的なところに目がいくようになったのかもしれないですね。
いい感触の下で安心することが脳を育てる
東原 「ロフテー」の枕は、弾力の強弱や柔らかさなどが選べるよう様々な感触のモデルを展開しているのが特徴です。好みの感触の枕で眠ることは、脳にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
中野 やはり自分にとって心地よい触り心地のものを選ぶことが、オキシトシンの分泌につながります。じつは、それが脳を育てることにも関係してくるんです。先ほどオキシトシンには成長ホルモンのような働きがあるというお話しをしましたが、とくに発達段階にあるお子さんの脳は、オキシトシンがないと十分に育たないんですね。心地よい触り心地は、そのための栄養のようなところがあって。お母さんが撫でてあげるとか抱っこしてあげるとか、良い感触の枕などで安心して眠ることが大事ですね。
東原 枕の感触も、脳に関係してくるんですね。私は少し柔らかい感じが好きなので、お店でいくつか試したうえで「9(ナイン)セルピロー」を使っています。中央に頭が沈むとき、両サイドから包まれる感じがあるんですよね。
中野 私は「LT-010」を使っています。じつはこれまで寝ている間に歯ぎしりをしてしまっていたんですが、これに変えてからなくなったんです。変な緊張が取れたんだと思うんですよね。「自分に合う高さの枕って、思ったよりもずっと低いものだったんだ」と驚きました。

[左]5つのパーツが連結されたユニット構造を採用。独特の立体縫製で型くずれが少なく、適度なハリのある柔らかさが特徴。「LT-010」2万8600円(税込)。
[右]人間工学的に配慮された、9つのセルユニット構造。人体の動きや頭部・頸部の形に沿った形状で寝返りなどの体動を自然にサポートする。「9セルピロー010」4万1800円(税込)。
東原 私も、それはすごく感じました。ホテルや旅館の枕って、結構高さがあるじゃないですか。だから、高いほうが良いものなんだと思い込んでいて。
中野 そうですよね。私もそう思ってました。
東原 でも枕が高すぎると、首のシワとかもできちゃいますよね。
中野 あー、それは危険(笑)。気を付けたいですね。
東原 実際、ロフテーの枕を使ってから私も肩こりがなくなって。自分に合う高さを計測してもらったり、好みの感触を選ぶことって大事なんだなと実感しました。以前は朝起きた瞬間から疲れていることもあったんですけど……、枕でこんなに変わるんですね。

同室にずっといた方が家族の愛着がより強まる
東原 さて続いては、家族や夫婦の睡眠環境についてです。これは気になっている人も多いんじゃないかな。東京ガス都市生活研究所の調査によると、30代の夫婦は夫婦別室で寝ているという人が14%、同室かつ、同じベッドで寝ている人が32%、同室だけどベッドは別々という人が53%だそうです。同室で寝ている方が多いですが、この結果についてはいかがですか。
中野 やはり、同室のほうが良いだろうと言えますね。どうもオキシトシンは、触り心地だけでなく、匂いを介しても分泌されるのではないかということを示唆する実験がありまして。そのため、別室よりも同室にずっといたほうが、ファミリーとしての愛着が強まるんじゃないかと考えられているんです。家族と一緒にいると安心感もありますが、一方で隣の人の動きで起こされてしまうというデメリットもあるかと思うので。振動の伝わらない距離で、一緒にいるのがいいかもしれないですね。
東原 たしかに、同室でベッドは別という方が一番多かったですもんね。
中野 経験的に、みなさんそれが良いと思っていらっしゃるのかな。
東原 子どもについては、どうですか? ヨーロッパだと子どもが小さい頃から別の部屋に寝かせたりするので、子育て中のお母さんは悩むところだと思うんですが。
中野 一概には言えないのですが、家族の結びつきを重要視する場合には、一緒に寝たほうがいいですね。先ほどお話しした、子どもの発達や脳を育てるオキシトシンを出すという意味でも。
東原 なるほど。睡眠環境によって、脳にはさまざまな影響があるんですね。
中野 子どもこそ睡眠が大事だと思うので。睡眠環境を整えてあげたいですね。私も子どもの頃から良い枕に出会えていたら、もっといろいろなことがうまく回っていたかもしれない……なんて思っちゃいます(笑)。
東原 本当ですね。人生の三分の一を過ごすわけですから、寝室の睡眠環境はリビングより大事かもしれないと考えさせられました。先生、今日はありがとうございました!
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