- 睡眠コラム
夜が一番長くなり、冷え込みも厳しくなる12月。食欲は増しておいしいものに目移りするのに、身体を動かすのが億劫になる季節です。長い夜に夜更かしをして、空腹のあまり夜食をつまんだり、深夜の熱々のラーメンに心揺らいだり。スリムで健康的な体型を保ちたいと思いつつ、服の厚みに油断して、身体の線がゆるみがちになっていませんか?
■睡眠不足が肥満を招く?! ──映画『マイ・インターン』より
2015年公開の『マイ・インターン』という映画に、気になる話がありました。
なんと「睡眠時間が6時間を切る40歳以下の女性は、7時間眠る人より太る確率が38%も高い」というのです。
物語の舞台は、アン・ハサウェイ演じる現代女性のジュールズが立ち上げた、急成長中のEコマース企業。ファッション業界の輝かしいスタートアップとして、寝る間も惜しんで日々仕事に邁進する社員たちのチームに、ロバート・デ・ニーロ演じる老紳士ベンがシニアインターンとして加わります。
現代の仕事と生活をめぐるこの映画に、眠りは大事なキーとして登場しています。
起業以来ほとんど休まず眠らず、つかの間の居眠りで大いびきをかき、「この2年寝ていない!」と叫ぶジュールズに対し、ともに睡眠学者である両親は、睡眠不足の代償を警告します。物語の最後、日差しのふりそそぐ公園で太極拳を楽しむ老紳士ベンが「深く呼吸して」とジュールズに語りかけるシーンは、自分の身体の声にそっと耳を傾けることの重要性を説いているようです。
■睡眠不足で太る理由 ──眠りとホルモンと自律神経の関係
睡眠不足が肥満を招くことは、国内外の医学研究機関が発表しています。
たとえば、大分大学医学部の兼板佳孝教授の研究によると、さまざまな健診データを分析した調査で「睡眠時間が5時間未満の人は5時間以上の人に比べて血糖値が高く、肥満になりやすい」との結果が出ています。
・最大のカギ、ホルモン
睡眠不足が続くと、食欲を高めるホルモン「グレリン」が増す一方、食欲を抑える「レプチン」が減少するため、過食や暴食に走りやすくなるという仕組みが解明されています。たしかに夜更かしをすると、なぜか空腹にかられて、本当は必要のない夜食を食べたくなってしまうことがありますね。それも、高カロリーで高脂肪なものが輝いて見えたりするものです。
質の高い眠りの最中に分泌される「成長ホルモン」は、子どもの成長だけでなく、大人のダイエットや美容にとっても重要です。睡眠不足や睡眠の質が低下して成長ホルモンの分泌が減ると、代謝が落ちて体脂肪を溜めやすくなってしまいます。
活性酸素を取り除き、体の老化や病気を防ぐ「抗酸化作用」があるのは「メラトニン」。睡眠ホルモンと呼ばれ、自然な睡眠リズムが崩れると、うまく分泌されません。
・自律神経が左右するダイエット
質の高い睡眠が不足すると、自律神経のうち、覚醒をつかさどる「交感神経」の働きが強まり、高血圧などを招く原因になります。一方、良質な休息によって、回復をつかさどる「副交感神経」が優位になると、体脂肪の分解や筋肉の修復を担うホルモンが多く分泌され、自然と痩せやすい身体になっていくそうです。
睡眠と自律神経の関係とは?
https://www.lofty.co.jp/relaxing/column.html
余分な体重を減らし、健やかな身体を保つには、十分な睡眠を取ることがとても大切なのですね。ダイエットに取り組んでいるのになかなか痩せない……という人は、もしかしたら睡眠不足や睡眠の質が原因かもしれません。
■美は眠りから
ロフテーは、睡眠の質が“美と健康”に直結することに着目し、新製品『Beauty Pillow エアウィーヴ × ロフテー プロデュース by 佐伯チズ』を開発しました(2016年12月1日発売)。美容家/生活アドバイザーとして活躍する佐伯チズ氏の監修、睡眠のトータルソリューションカンパニー「エアウィーヴ」との共同開発により、“女性がキレイになるための眠り”を追求しています。
“女性がキレイになるための眠り”とは?
https://www.lofty.co.jp/beauty/
良質な睡眠で“身体の内側”から美しく。
ダイエットに苦労する冬こそ、眠りのチカラを意識してみてはいかがでしょう?
参考文献
ナンシー・マイヤーズ監督(2015)『マイ・インターン』
高谷治美(2016)「睡眠不足がメタボを招く」『日本経済新聞』2016年10月15日付夕刊
大井田隆 兼板佳孝 編(2013)『睡眠公衆衛生学』日本公衆衛生協会